ちゃぱブログ / エンジニアリング / マネジメント

とあるプロダクトの運用組織のマネジメントしてる人の雑記。主にエンジニアリングやマネジメントのことを書きます。ときおりプチ情報も

「みんなでアジャイル」を読んで

はじめに

fukabori.fmのエピソード32で紹介されていた本「みんなでアジャイル」。「アジャイル」には興味はあったものの、本で学んだことがある程度で、例えばスクラムやXPなどのプロセスを実践したことはない。ちょっと興味ある程度の気持ちで聴きながら、「あれ、これ組織の中でよくある問題のこと話してないか?」という感覚を持ち、その中でも「組織の対立」という点で気づきがありそうだと思い買った。

fukabori.fm

「みんなでアジャイル」とは?

Matt LeMayさんの書籍をRyuzeeさんたちが翻訳し、オライリーから出版されたアジャイルに関する本。

アジャイルのプロセスというよりは、マインドセットも含めて、どのように組織にアジャイルをフィットさせていくか?ということが書いてある。プロセスを知りたい人向けではない。

オライリーのページには以下のような記載とともに紹介されている。

市場の急激な変化に適応し、バリューチェーン全体を最適化したい組織のマネージャ、非エンジニアリングチームのメンバー、エンジニアと協業するすべての人に必携の一冊です。 

 

www.oreilly.co.jp

この本に求めていたこと

正直「アジャイル」についてよりは、組織の対立構造に対して解決に導く考え方のヒントがないかな?ということを求めていた。

ビジネスがスケールしてきたときの組織の最適なサイズ感が難しいと感じている。機能的に分けると効率が良いが、全体感を捉えられない。一方でビジネスがスケールしたときに、個人が見れる範囲の能力的な限界がきて分割せざるを得なくなる。そのときに、分割したチームが有機的につながって成果を出していくにはどうしたら良いのだろうか?

といったことを、あれこれ考えるのが好きなので、この本がそのヒントになるのでは?という期待があった。(fukabori.fmを聴いていたらそんな気持ちになった)

得られたヒント、そしてモヤモヤ

プロジェクト(終わりがあるもの)なのか、運用・保守のような継続的なものなのかでも違う気はする。プロジェクトの場合には、書籍の中でのヒントとして「横断的なチームを作る」「同じ場所で仕事をする」「初期段階から巻き込む」といったようなことが書いてあった。わかる。

ただ、実際の組織でこういう動きをしようとすると、難しい組織が多いんじゃないか?という肌感がある。いっそのこと、トップダウンで落としてもらったほうが、形としては作りやすい。ただ、形だけ作ってもうまくいかない。

「難しいんだろうなぁ」という肌感がどこから生まれてくるのか?と思うと、「組織内の個々人の感覚が揃ってないと」という前提がつくからなんじゃないかなと思った。

これについても書籍の中で気づきを得られるようなことが書いてある。

報告と批評の文化から協調的な文化へ(P.68)

「協調的な”文化”」というのが大切。文化。文化になるまで、個々人に浸透している。ということ。「群集心理(ギュスターヴ・ル・ボン)」にも書いてあった気がしたのだけど、個々人の長年の蓄積によって文化は醸成される。時間はかかるし、時間をかけて作り上げたものだから、変えるのも時間がかかる。これが「難しいんだろうなぁ」と感じる理由かなと思う。組織の規模が大きければ大きいほど。

その他のヒント

ゴール設定をうまくやることで、解決に導くことができる。というのも感じた。

こんな一文がある。

達成したいゴールと解決しなければいけない課題を明確に理解できれば、それぞれの戦術ニーズを満たせるように裁量を与えることができる(P.130)

チームをわけたりすると部分最適に走りがちになりそこから対立が生まれると感じるけど、全体の方向感を見定めながら各チームのミッションとして落としていくとうまくできるのかなと思う。トップというかマネジメント層の腕の見せ所だな。

おわりに

全然アジャイル関係ない記事になったし、「みんなでアジャイルを読んで」というタイトルから想起させる記事でもなくなったけど、自分の悩みと、この本から得られたヒントのようなものを記してみた。もうちょっとこのテーマは整理していきたい。